qualiadiversity’s diary

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フィンランドメソッドとリア王

先週末、東京でフィンランドメソッド推進者の北川達夫さんのセミナーを受講しました。
平田オリザさんとの対談集「日本には対話がない」を読んで以来、一度会ってみたいと思っていた方。ちょうどよい機会でした。
北川さんは、外務省勤務時代にフィンランドに8年間在勤、文化/交流などを専門領域として活動されたご経験から、フィンランド教育に関心をもち、現在日本・フィンランドニュージーランドで教材作家(教科書専門の作家だそうです)として活動しながらフォンランドメソッドの普及に努めています。http://www.ilec.jp/data/weblet/020/002.html
外務省出身というだけあって、その講義内容は世界情勢から始まって、グローバルスタンダードという考え方やOECDの実施しているPISA(国際学習到達度調査)の裏話など非常に興味深いものでした。
2日間のセミナーは、実際にフォンランドの子ども達が学んでいる教材などを使いながら、対話を行うための基本スキルを習得するというもので、久々に脳に刺激をもらいました。知識のシャワーは気持ちいいですね。
フィンランドではすべてのことを問題と解決という発想でとらえ、小学校低学年で問題と解決の型を徹底的に身につけることを重視するときき、目からウロコがまず一枚。
考える力、対話する力、問題を解決する力こそが重要という考え方にはとても共感しました。最初にやったワークはフィンランドの小学校3年生で使われている国語の教科書からの問題。タイトルは「ちょうど35キロ」。これがまた面白くも難しい。決して答えは一つではなく、常になぜそう思ったのかを問われ続け、こういうことを小学校3年生からやるのかとびっくり。
そこで突然思い出したのは、小学校3年の時に受けた国語の授業。皆さんよくご存じの「リア王」の物語を学んでいた時のこと。ある場面で、私はリア王の従者の行動に対する解釈で先生と激しく口論になりました。先生は「それは間違いです!」と断言し私の意見は葬り去られてしまいました。今となってはどんな内容か覚えていませんが、自分の意見に対して否定されたことだけはしっかり記憶に残っています。今にして思えばきっとたいしたことのないことにこだわっていたのかもしれません。小さい時から自分が正しいと思ったことは大人にもずけずけ言う子どもで、先生にしたらやりにくい子どもだったろうなと思います。
けれどフィンランドでは、私のような子どもは当たり前なのでしょうね。まず自分がどう思うかを述べて、なぜそう思うかをやりとりすることでお互いの解釈や価値観の違いが明らかになり、そこから最適解を導き出していく。間違っていてもいい。自分がどう思うかをまずしっかり言える子どもをつくる。それってとても大事なことだと思います。
セミナー内容は改めてレポートします。

今秋には北川先生も関わっている(財)文字・活字文化推進機構が「読み、書き、考え、伝える力」を鍛える言語力検定を実施するようです。
http://www.mojikatsuji.or.jp/gengoryoku.html