2009-09-20 会話・議論・対話 学習する組織 「対話」(ダイアローグ)という言葉がビジネスの中で注目されている。 対話に関する書籍を次々に発行されており、ざっと挙げるだけでも次のようなものがある。 ・「対話のレッスン」平田オリザ著 三省堂 ・「日本には対話がない」平田オリザ・北川達夫対談 三省堂 ・「対話流」 清宮普美代・北川達夫対談 三省堂 ・「ダイアローグ 対話する組織」中原淳・長岡健著 ダイヤモンド社 ・「対話する力-ファシリテーター23の問」堀公俊・中野民夫著 日本経済新聞社 ・「対話」のない社会―思いやりと優しさが圧殺するもの 」中島道義 PHP新書 人と人が向きあって話をするときの3つの形式を、私なりに解釈してみると次のようになる。 ・会話(カンバセーション)は A×B= A+B AさんとBさんがお互い好きなような話をし、結果にはこだわらない。相手を理解したりやりとりそのものを楽しんだり。たわいのない話、雑談はこれに当てはまる。 ・議論(ディスカッション) A×B= AかBか お互いの主張や論点を見極めながら、結論を導き出そうとする話し合い。往々にして、勝ち負けや正誤、優位性などにつながることがある。 ・対話(ダイアローグ) A×B=A'+B'+C(AがA'になり、BがB'になり、時にはAでもBでもないCになる) お互いを違う存在として受容し認めながら、その違いと共通を明らかにし、調和や創造的視点を見い出す話し合い。 対話とはまず相手を理解し、自分を理解することから始まる。 わかっているようでこれが実はとっても難しい。 「対話」がクローズアップされる背景には、あまりにも今の組織で議論・討論中心で お互いを理解し受容し、その上で創造的解決策を見出そうという姿勢が欠落しているからではないだろうか。 マーコード式アクションラーニングhttp://www.jial.or.jp/index.htmlを学んで以来、 研修の中によく「質問会議」を取り入れている。 議論や討論に慣れている管理職ともなると、相手の話をじっくり聴く、対話するというのは至難の業。自分では聴いているつもりでも、頭の中は自分の答え、自分の意見でいっぱいになっている(銃に言葉の弾を込め次に何を言おうか(撃とうか)としている)状態。ところが、「質問だけ」というギブスをはめると、自分中心から相手中心そしてメンバー中心の思考になっていくのがよくわかる。 会話も議論も討論も、時には口論も必要だろうが、 今最も必要なのはやっぱり「対話」。 あなたの組織は、「対話」・・できてますか?