qualiadiversity’s diary

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交渉は難しい。自分のための交渉はさらに難しい。

HBR2016年7月号からもう一つ面白い論文。

「自分のための交渉を成功させる方法」

シモンズ大学経営大学院名誉教授 デボラM.コルブ


先日某企業での女性リーダー育成プログラムで社外のロールモデルを招いて上司・部下の合同の場で話を聞いてもらった。非常に面白かったが特に印象に残っているのが、商社勤務の女性管理職が、女性が働く上で上司や周囲との交渉力は不可欠と語っていたこと。自分の評価が納得いかなかったら不満をためたまま引き下がらずに上司と交渉するとが重要だと。本来、交渉は悪いことではないが、女性が自分のために交渉するとあまりよい評価をされないことがある。そもそも自分のための交渉は難しい。

 

デボラ教授は言う。

自分自身のために交渉に臨むときは、会社を代表して交渉する時によりも気まずさを感じる。採用や査定など通常の枠組みを外れた場合の交渉であればなおさらだ。そういう場面では感情に大きく左右されるようになる。

自分自身の代弁者となって交渉すれば、「チームプレーのかける」「要求の多い人」と見なされるかもしれない。特に女性はそう見られることが男性よりも多く、「何かを求めたことへの社会的代償」を支払う羽目になることもある。

 

自分のための交渉(小文字のnで始まる交渉(ネゴシエーションnegotiation))を成功させるために、次の4つのステップをやってみよう。

 

1.チャンスの認識

 交渉のチャンスは必ずしも明確ではないが、是が非でも声を上げるべき時かどうかをしっかり見極めよう。交渉テーマが自分にとって重要なのは当然だが、求めている結果

が自分個人のみならず組織のメリットにもなり得るかどうかは重要な判断基準だ。

 

2.交渉の準備

 ・有益な情報を集める(前例や交渉相手に関する情報など事前に知っておくことは重要)

 ・おのれの立場を知る(相互依存の関係にある相手には、自分の仕事が相手や他者の成功にどんな影響を与えているかに注目しよう)

 ・選択肢を用意して交渉の支えとする(交渉は創造力が問われる。選択肢を考える際は、相手にはどのような正当な理由があって、あなたの提案を受け入れられない野かを考えるとよい)

 

3.交渉の開始

 ・会話を敵対的なものにせず、協力的な交渉に導くためには、まず自分の価値を明確にし相手に理解させること。また相手が受け入れない正当な理由や懸念事項を確認し、対処すること。

 

4.交渉の舵取り

 ・相手を交渉に引き込むことができたら、胸襟を開いて対話する。その際には、主張ではなく質問が効果的。

1.仮説検証的質問(もし、~だったら)

2.互恵的質問(~の場合、あなたはどうか)

3.循環的質問(情報を開示すると同時に情報を収集する質問)

 

とりあえず、声を上げることは悪いことではないと自分に言い聞かせ、まずは 発言してみよう。言っても変わらないかもしれないが、言わなければ絶対変わらないのだから。

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