qualiadiversity’s diary

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魔女との出会い

フェミニズムに関心のある人なら一度は聴いたことがあるだろう。今では伝説にもなりそうな、アメリカの女性解放運動家ベティ・フリーダン(1921~2006) 。その実物にお目にかかったことが、私にとってのセレンディピティの始まりだったのかもしれない。
すでに74歳になっていたベティの優しいけれどするどいまなざしが今でも脳裏に焼き付いている。

○新しい女性の創造
 1995年、北京で開かれた第4回世界女性会議。世界中から3万人とも5万人とも言われる政府関係者、NGO・NPO関係者が一堂に集まり女性問題(懐かしい言葉だ)について話し合う場に、働く女性を支援するNPOの一員として「女性の再就職・M字型カーブ」をテーマに参加した。当時の北京はまだ人民服や自転車であふれかえっており、会場も建設が間に合わず急遽テントを張って行うという荒っぽいものだったが、世界中から集まった女性達で熱気にあふれていた。
ワークショップが終了し、記念写真を撮ろうと集まっているとなにやらざわめく周囲の人たち。目の前を、黒いドレスをきた魔女のような女性を中心とした一団が通り過ぎていく。メンバーの一人が叫んだ「ベティ・フリーダンじゃない!」
なんと、Feminine Mystique (邦題:新しい女性の創造)」の作者にして、アメリカの女性解放運動の第一人者のベティ・フリーダン、その人だった。

できあがった写真は、全員満面の笑みで前を向いているのに、私だけが後ろを振り向きあっけにとられて彼女を見つめていた。彼女の姿をその目にしっかり焼き付けておくんだという意志の現れでもあったか。
 時代を動かしてきた女性と同じ場に身をおいていることに身震いするとともに、何をするためにここまでやってきたのか、強く意識した瞬間でもあった。

1986年(新装版 初版1965年)ベティ・フリーダン 大和書房
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