2010-12-19 U理論 未来から現実を創造せよ お薦めの一冊 12月18日の「U理論出版記念イベント」に参加しました。まちにまった発行で、すぐに定員オーバー。会場は熱気に溢れていました。 パネリストが会場の真ん中で円陣を組むように座りダイアログをしながら、会場でも時折バズセッションを繰り返し、双方向のやりとりを行う進め方は、みんなの意識がつながり一つになるような不思議な感覚でした。 どのパネリストの言葉も光を放つように心にしみこんできましたが、それは私がそういう言葉や意図を欲しているからかもしれません。 この内容を美味くまとめる自信は全くありませんが、印象に残った言葉をひろって皆さんにもお裾分けしたいと思います。 ちなみに、会場で流されたオットー・シャーマーのメッセージは近日中に(社)プレゼンシングインステュテュートコミュニティジャパン(PI)のHPからダウンロード出来るようです。http://ht.ly/3rsyW まず、冒頭に挨拶した翻訳者の由佐さんの言葉は強烈でした。 ・課題解決の世界には未来はない ・必要なのはもはや「やる」ことではない。「意識」にこそ重要なヒントがある。 わかっていてもそこから抜け出せないでいる人にはどきんとする言葉でしょう。 U理論のすごさは、とても大事だけれどビジネスの世界ではいつも怪しげだと思われている「スピリチュアリティ」と「左脳」をつないだことにあるという言葉には深く納得。 U理論は人生すべてに使えるテクノロジーなのです。 オットーからのメッセージでは、U理論は理論的な見地を持つとともに変容に対する実践的な社会テクノロジーでもあり、医療、教育、生態系、社会システムの変容、民主主義などの領域で活用されていることが紹介された。学びと知を共有する新しいプラットホームGスクールの構想には興味をそそられた。Gとはグローバル・グリーン・グラスルーツ(草の根)の意。 パネリストは以下の5名。 瀬谷ルミ子氏 日本紛争予防センター事務局長 辻井 隆行氏 パタゴニア日本支社長村上 久乃氏 (株)ベネッセコーポレーション高校生ゼミ開発部部長 井上 英之氏 ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京代表、 慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘准教授 永井 恒男氏 (株)野村総合研究所IDELEAチーム事業推進責任者 私は、瀬谷ルミ子さんに一番興味をひかれました。発言量は一番少なかったのですが彼女のプレゼンス(存在)そのものが、その場に大きな意味を与えてくれたと思います。 ・高校3年生の時にルワンダ難民の映像をTVで見て、これをやろう!と心に決めた。 けれど、当時日本では、紛争や平和について教えている大学がなかった。 ・国連や海外で活動している時、いつも日本のNGO・NPOへの不満があったけれど、それを対岸の問題としてみている自分に気づいたとき、地位や給料を捨てて飛び込もうと思った。 ・みんなが反対したけれど決心は揺るがなかった。自分がやりたいと思ったときにマイノリティになる覚悟を持つことが大事。心地よいモノを脇に置いて取り組むことが必要。 パタゴニアの辻井さんによる創業者イヴォン・シュイナードの話も印象的でした。パタゴニアが業績不振になった時に公明な経営コンサルタントに助言を求めると「会社を使って環境をよくしたい」という彼にそのコンサルタントは「あなたは嘘つきだ。本当に社会に貢献する会社を作りたいなら、会社を売り払ってそのお金を投資すればいい」と言われたそうです。 それを聞いたシュイナードは、悩んだあげくにスタッフとともに名前のルーツとなっているパタゴニアに行き2週間山ごもりをしたそうです。なぜ、そこに行ったのか。現地の風に吹かれ空気を感じ、自分の原点に立ち戻るために必要な旅だったのではないかと、辻井さんは言います。これは、まさにU理論のリトリート(一歩下がって深く内省する)そのものではないでしょうか。 その他のパネリストも、まさにこのテーマにふさわしい方ばかりでみんな率直に本音を語り、省察し、その真摯さが全体に広がり開かれた空間を作っていったようでした。 参加者からもコメントも非常に深い話が多く、共鳴しあっているようでした。 私たちはどのようにこの世界を見ているのか、自分のメンタルモデルとフレームワークに意識的になること。そして自分の意識と行動の源泉(ソース)を深く探ること。 それが、社会をよりよいものにする第一歩なのだと感じました。 このイベントは、Uの旅がここから始まり広がっていくのだとういことを予感させるものでした。ぜひU理論読んでみてください。これからの社会を生きる私たちに必読の一冊であること間違いなしです。 ツイッターやブログで様々なつぶやきが広がっています。 http://ht.ly/3rsyW