qualiadiversity’s diary

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アフリカの未来

 海外の国際会議に行くと必ずアフリカの政府高官やNGO代表の女性たちと話をする機会がある。先日のチリの国際会議でも南アフリカからやってきた起業家の卵である女子高生や企業幹部の女性たちと話す機会があった。
アフリカに関する少ない情報からもつイメージは大自然とともに、紛争や貧困、飢餓といったネガティブなものが多いが、彼女たちと話をしていると、決して絶望ではなく困難を乗り越えようという意思が感じられる。
(もちろん、海外の会議に出席できるのはごく限られたエリートだけなのかもしれないが)

そんなこともあり最近アフリカに関する書籍を読みあさっているが、ここ数年アフリカに関するいろいろな本が出ていることに気づく。

・アフリカ 苦悩する大陸 ロバート・ゲスト著 東洋経済新報社2008年8月
・最底辺の10億人 ポール・コリアー著 日経BP社2008年6月
・アフリカ 動き出す9億人市場 V・マハジャン著 英治出版2009年7月
・ルポ 資源大陸アフリカ 白戸圭一著 東洋経済新報社2009年7月
・砂漠の女ディリー ワリス・ディリー著 草思社 1999年10月
・ディリー砂漠へ帰る ワリス・ディリー著 草思社2003年11月

どの本もとても興味深く、読めば読むほど私の知っている「アフリカ」に対する知識も情報も本当に底が浅くて、ステレオタイプ的な見方しかしていなかったのだなと痛感する次第。
特に、ポール・コリアーのサハラ以南の南アフリカ諸国が抜け出せない4つの罠(
紛争の罠・天然資源の罠・内陸国であることの罠・劣悪なガバナンス(統治)の罠)
は、アフリカの混乱をひもとく上でとてもわかりやすい内容だ。
また、アフリカ諸国に伝わる女子割礼(FGM(女性性器切除))は95年の北京世界女性会議でも女性への暴力廃絶の大きな話題となっていたが、今だになくなっていない(むしろ先進国への移住を通して世界に広まっている)という現実には暗澹たる思いとなった。

来年は南アフリカでサッカーのワールドカップが開催される。遠くて遠くて接点のほとんどない国であったアフリカも、地球という一つの星の下で決して日本と無関係ではないのだということを、改めて実感させられた次第。