qualiadiversity’s diary

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あやうい日本人

金・土と東京で「グローバルマインド養成講座」に参加した。
ダイバーシティを推進する上で、異文化マネジメントは必須項目。でも日本の中でグローバルマインドを養うにはどうすればよいか、明確な道筋がなかなか見えずもやもやしていたところ、AL協会がIB-C社http://www.ib-c.com/jpn/default.aspの代表である渥美育子さんを呼んで「グローバルマインド養成コース」を開催すると知り、ちょうど出張と重なっていたこともあり受講することにした。

渥美さんは、滞米25年。米国大企業を相手に異文化マネジメントのトレーニングを長年実施し、35カ国の現地人インストラクターとともに世界市場戦略、グローバル人材育成に取り組んでこられた方。グローバルマインドを学ぶにこれ以上ふさわしい方はないというくらいすごい人だ。
今回のセミナーは、渥美さんが開発された異文化理解を企業経営に活かすツール「世界の文化地図TM」(製品名:グローバルナビゲーター)を活用しながら、個としてのグローバル化をめざすというもの。
渥美さんのいうグローバル人財とは次のようなもの。
・地球規模で考え行動する(マクロとミクロを自在に行き来する)
・人道的規範原理に基づくプロフェッショナルとしてグローバルスタンダード(世界基準) 
 とダイバーシティ(多様性)を視野に入れて最適化できる
・日本文化のDNAを理解しつつ、日本発を世界発にする

渥美さんの長年の経験と実績、そしてとてつもなく幅広く奥深い教養(*教養ってこういうときにこそ使うもんだと改めて実感した次第)に裏打ちされたインストラクションはすばらしく、非常にインパクトがあるものだった。

その中でも最も印象に残っているのは「危うい日本人」という言葉。
グローバリゼーションという言葉は広く知られるようになったが、その世界共通の定義は「世界を一つのユニットしてとらえ、関わりを持ち行動すること」であるという。
1991年の冷戦体制の終焉後、価値の大転換が起こり、世界を舞台としたスピードある世界規模での大競争が始まったが、その真の脅威に気づいている日本人は驚くほど少ないそうだ。政治をみても企業経営をみても内側(日本からみた)からの戦略や政策に過ぎず、世界のルール作りに参加できる人財がほとんど育っていないのが現実。グローバルルール(スタンダード)セッターとしての力を持たない日本に未来はあるのか。
「危うい日本人」は、渥美さんのそんな危機感を端的に表した言葉である。寝ぼけまなこのその目をかっと見開かされた、そんな講義だった。
また、これからのグローバルリーダーに必要な資質として強調していたのは「スピーチ力」である。日本では存在感や人格に重きが置かれるが、それだけでは残念ながら通用しない。世界においては言葉に対する信頼は絶大であり、いくら英語力があり流ちょうに話せても内容が伴わないスピーチではリーダーとして認めてもらえない。ましてや、英語にコンプレックスをもって読みあげるだけでは意味がない。
シンプルで平易な言葉で十分。訴えたいことをしっかり伝えるスピーチは、必ず人の心を動かすものだ。
そして、紹介してくれたのが92年ブラジル、リオ・デ・ジャネイロでの「環境と開発に関する国連会議(環境サミット)」で12歳の日系カナダ人の少女が行ったスピーチ。
http://www.youtube.com/watch?v=C2g473JWAEg

英語力を鍛えるのも良いけれど、「何を伝えるか」ということをもっと真剣に考えた方がよさそうだ。

*「世界の文化地図」について詳細をお知りになりたい方は
グローバル未来塾にお問い合わせください
http://www.global-kyoiku.com/product/gn_b.html