qualiadiversity’s diary

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恐れから自由になる

どんな人も恐れや不安と無関係ではない。心の奥底に不安を抱えながら折り合いをつけて生きているのだろう。
私も劣等感や自己欺瞞に悩まされ落ち込むことがよくある。最近も些細な出来事で自信をなくし、鬱とした気分なってしまった。
そんな時、たいてい本棚をあさって元気づけてくれる本を読むことにしている。
ふと手に取ったのは
「ほんものの自分を身につける10のレッスン」ロンダ・ブリテン著 祥伝社
「あなたは何を恐れているのか・不安の正体とは?」「不安はぐるぐると循環し続ける」「どうすれば自由になれるか」そんな目次が目に飛び込んできた。「きっと今みたいに落ち込んだ時に買ったんだろうな」と苦笑しつつ読み返してみる。

著者のロンダは少女時代の不幸な出来事によって、自分は価値のない人間と思い込み長く苦しんでいた。ようやく自分のもつ「不安」と向き合い、それを乗り越えた経験を活かし「フィアレス・リビングプログラム(Fearless Living Program)」というトレーニングメソッドを開発し、ライフ&キャリアコーチとして活躍している。

恐れを克服するための方法として次のようなことを提唱している
・不安は成長を認めるサインと認識する
・「不安の悪循環」を「幸せの循環」に転換する考え方を身につける
・漠然とした反応をやめ、自分に休憩を与える
・「不安でいたがる人たち」との付き合いをやめ、自分を助けてくれるチームをつくる
・何かに期待するのではなく、「意志と責任」をもって生きる
・言い訳と不満を手放す
・許すことを覚える(否定→怒り→受容→同情のプロセスを知る)
・ありのままの自分を認める

人によって何を恐ろしいと思うか、不安の源泉は様々だ。まだ知らない未知の世界はそれがどんなに小さなものであれ、一歩踏み出すには大きな勇気が必要だ。その道は決して居心地のいいものではない。ロンダは、これまでの自分が「これからの自分」へと移行する時に味わう不安定な気持ちを「居心地の悪いゾーン」と名付けている。

第一のゾーンは、過去からのメッセージを信じてしまうこと。
過去の失敗体験は行動を阻害する最も大きな要因だ。過去の失敗は警告ではあるけれど、予言ではない。過去の自分と「今の自分」は違う人間なのだ。

第二のゾーンは、自分は「にせもの」だと感じること
知識や経験や資格や学歴は自分の自信を裏付けるものだが、それがあるからといって「本物」になれるわけではない。同様にそれがないからといって「にせもので」であるというわけでもない。大切なことは「結果」にこだわることではなく、前向きな行動に集中しプロセスを大事にすること。

第三のゾーンは、道を見失ってしまうこと
リスクに挑むと必ずやってくる「混乱」。方向を見失い何も決められない状態。けれど、それこそが、成長の印。道に迷ったら立ち止まり、深呼吸をして「自由の循環」と「不安の循環」についてじっくり考えてみよう。そして、考えつくしたら、ベストかどうか誰もわからないけれど、自分なりに「ベター」だと思った方向へ一歩踏み出してみよう。

最後にロンダは L・I・S・K というトレーニング方法を紹介している
L(Release) 結果第一主義から離れプロセスに集中する(期待しない)
I(Invest)意志を通すために全力を注ぐ(言い訳をしない)
S(Stand)本当に大切なもののために立ち上がる(不満を言わない)
K(kind) 人と自分に優しく接する(自分を痛めつけない)

結局のところ、「不安」や「恐れ」を完全に払しょくすることは難しいかもしれないが、
自分にはそれをコントロールする力があると思えるだけで、状況はかなり改善されるのだろう。
「いろいろ欠点もあるけれど、いいところもあるじゃない」と自分を認める。
「残念な結果だったけれど、まあそういうこともあるさ」と受容する。
「怖くて足が震えるし、吐き気がする。でも、行くしかない」と踏み出す。

「恐れていることをせよ。すると不安は必ずや死ぬ」
                     ラルフ・ウォルド・エマーソン