qualiadiversity’s diary

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ランクの力に気付く

ファシリテーションを実践する上で、「ランクの力」に気付くことはとても重要です。ランクとは、個人のもつ力の違いをいいます。たとえば、大人と子ども、部長と若手社員、初心者とベテラン、男性と女性のように、対等ではなくどちらかが優位に立っている関係において、平等に話そうとか立場を忘れて話そうといってもなかなか難しいものです。その場には目に見えない「ランクの力」が働いているからです。
 先日の、FAJ合宿におけるワールドワークでは、この「ランクの力」についても学びました。タケさんによると、ランクの力は4つに分類されるそうです。

○社会的ランク・・・社会的な地位、文化的地位など(経済力や知識、専門性などが生み出す力。学歴が高くて経済力のある中年の男性は、それだけで相当高い社会的ランクをもっています。これに気付かずに、若手社員に「今日は無礼講だ」といっても通じません。)
   
心理的ランク・・・自分のことをどの位知っているか(自分のことを深く知っている人は、自分についてあまり知らない相手(自己理解が出来ていない人)よりも優位にたつことがあります。心理的ランクが低い人は、高い人と話をすると、時に自分がひどく馬鹿にされていたり、自分のことを間が抜けていると感じることがあるようです。)

○スピリチュアルランク・・・大きなものと繋がってる、霊的なもの(これはちょっと難しい。みんなが知らない世界を認知することができたり、霊的な経験を語る人。最近多いですね。そういう人にであうと私達は何かすごい人であるというように感じます。)

○文脈ランク・・・持っている情報量や経験の量(なんでも始めて経験する人は期待と緊張と不安でどきどき。でも、慣れた人や古くからいる人は平気で場になじんでいます。専門用語を使ったり新人さんの知らない過去の話しで盛り上がったり。そうすると経験や情報のない人は阻害されたり、軽く見られているように感じることがあります。)

ランクの力を示すとても簡単なワークがあります。例えばどこかに旅行に行く話をグループでします。途中で、その中の一人が机の上に乗って、他の人は床に座って話をします。ただ、それだけなのに、床に座った人は机の上の人から圧迫されているような気持ちになるそうです。 
私達はそれと気付かずにこのようなランクを使ったり、ランクに振り回されたりしていないでしょうか。 特に、高いランクを持っている人はそれに気付きにくい傾向にあります。ランクが高くなるほどに、他の人には見えているものが見えなくなるのです。
 ランクの力をなくすことは難しいし、なくす必要もありません。ただ、このようなランクの力があるということ、それを私達がもっているということに気付くことがとても大切です。また、それぞれのランクでどのような対立が起こりやすいか考えてみることも重要です。
ランクの力に気付くことから、相手との真の対話が始まるといえます。